2025/06/05 17:11
■ボケないのはどっち?
長生きしてもボケたり寝たきりになっては、自分も周りも大変です!60歳を過ぎたら他人ごとではありません。ボケも予防が大事です!そこで、どうしたら認知症に罹らないようになるのかと考えてみましたら、何年か前にある講習会に出席した際に作家で、神経内科医の米山公啓先生の話を聞いたことを思い出しました。その内容を紹介しながら考えてみたいと思います。ボケないのはどっち?という呼びかけに日頃の自分を振り返ります。
質問:ボケ対策が目的で出かけるなら「結婚式」と「同窓会」どっち?
回答:「結婚式」です。結婚式は、新しい場所にでかけて新しい情報を取り込み、脳にインプットする「記銘」と言って情報を思い出す作業です。年齢による記憶力の低下はボケに深く関係します。高齢者の脳機能で頻度の高いのは「想起」の方なので、意図的に「記銘」を鍛える必要があります。懐かしい昔話より新しい出会いと経験が重要だということです。
質問:ファッションを選ぶなら「年相応」と「流行を追いかける」?
回答:人と会う時、相手のどの部分を意識しますか?相手の服という方は少ないのでは?それはファッションに対する意識が低く、自分の服にも無頓着という事。着られればなんでも良いと前日と同じ服を着ていませんか?認知症には「何日も同じ服を着続けてしまう」という症状があります。答えは「流行を追いかける」です。人に接する機会の多い方は服にも気を配り、脳活性にもつながります。
質問:リビングでくつろぐとき「テレビやラジオをつけっぱなし」と「静かな部屋」?
回答:家に帰った時、音のない部屋は何となく寂しく感じて、テレビやラジオをつけてしまう方が多いと思います。耳に入ってくるもの必ずしも自分が得たい情報ではないことが多く、右から左にぬけてしまう結果になっています。だったらスイッチを切り、情報の流入を遮断することで、一人の環境を作ります。時に何も考えず、ボーっとしていることも大事です。この状態を「瞑想」といい、脳が活性化しているのだそうです。何も考えないというのは結構難しいです。座禅のようなものなので修行です。瞑想することで得られる効果は集中力と記憶力のアップ。そしてストレスを取り除きます。まずはテレビやラジオを消して環境を整えてから挑戦してみましょう。答えはもちろん「静かな部屋」です。今は情報が溢れています。実際に興味のないことに脳は働かないので、テレビは消して、「静かな部屋」で瞑想する時間を持ちたいと思います。
質問:ボケない食を選ぶなら「白米」と「玄米」どっち?
回答:脳に最も有効な栄養素は「ブドウ糖」です。日本人の主食はお米で、そのお米に含まれる炭水化物は体内でブドウ糖に変化します。今、炭水化物の摂取を控える「糖質オフ・ダイエット」が流行っていますが、記憶力や集中力の低下、怒りやすくなるといった症状をもたらすこともあるようです。炭水化物は脳の活動を維持するのに重要な栄養素で、ボケ防止食品なのです。ただ、過剰摂取は糖尿病につながり、肥満になるので量は控えめにしましょう。玄米は、白米と比べて栄養価が高く、多くの人が健康のために食べています。しかし、精米されていない玄米は、ぬかの部分に農薬が残りやすいと言われています(日本で栽培されている玄米は、食品衛生法の基準値を超えて残留しているものはなく、安全性に問題ありません)。脳は限られた栄養だけを吸収します。炭水化物を摂取して1時間ほどでブドウ糖になって脳に達します。脳の栄養素となる「ブドウ糖」に関して白米は安全性も炭水化物の含有率も玄米より高いのです。 答えは「白米」です。
質問:食後の一杯は「ほうじ茶」と「コーヒー」どっち?
回答:ほうじ茶は香ばしく、やさしい口当たりで日本人の食後に飲まれていますが、カフェイン量も少なく、ボケ防止効果は低いです。緑茶はカテキン、ビタミンC、カフェインが豊富に含まれています。ただ、コーヒーには認知症の予防効果が高いと立証されてきたのです。そしていくら飲んでも害がないというのが、現在のコーヒーに対する評価です。コーヒーをよく飲む人は、肝臓がんの発症率が低いという結果も出ています。答えは「コーヒー」でした。